妊娠とカルシウムの関係性。妊娠するのにカルシウムって必要なの?
カルシウムの働き
カルシウムは骨を作るだけでなく、体の中で様々な働きをしている、
なくてはならない栄養素です。
● 脳や神経の働きを助ける
● 心臓の規則正しい拍動を保つ
● 免疫の仕組みに関わる
● 出血したとき血液を固める
などの働きがあります。
カルシウムは血液といっしょに体中をめぐり、あちこちで体の元気を助けています。
カルシウムと妊娠の関係性
カルシウムは骨の原料になるだけでなく、妊娠する上でとても必要な栄養素です。
「女性ホルモンの分泌を調整する」
カルシウムは、女性ホルモンのバランスをとっています。
足りなければ引っ張り出し、多いなら引っ込める、という調整をしています。
女性ホルモンは、カルシウムに制御されながら、逆にカルシウムの監視役もしています。
「精子の動きを良くする」
精子が成熟し、運動が充分できるためには、カルシウムが必要です。
カルシウム不足は、精子の動きが悪くなる原因のひとつです。
「受精の時にカルシウムが必要」
精子が卵子に到達して充分に情報を伝えるためにはカルシウムが必要なのです。
正常に受精するためにも、カルシウムが必要です。
妊娠中にもカルシウムが必須
赤ちゃんはお腹にいる間、30.000mg(牛乳瓶150本分)のカルシウムを
ママの体から分けてもらっています。
妊娠中のカルシウム摂取量が足りないと、
足りない分は骨からカルシウムが使われてしまうので、
骨が弱くなったり、足がつったり、イライラしたりという症状がでやすくなります。
足りないカルシウムは骨から溶け出して補填される
日本人のカルシウムの平均摂取量は、摂取基準量を戦後一度も超えていません。
とくに、20~30代の若い女性のカルシウム不足が著しく目立っています。
カルシウムが不足した状態が続くと、血液中のカルシウム濃度を保つために、
骨に「貯金」されていたカルシウムがどんどん溶け出していきます。
そうして骨のカルシウム量が少なくなり、30%以上が溶け出して
骨がスカスカになった状態が「骨粗しょう症」です。
カルシウムは毎日180mg失われています
カルシウムは、尿や汗から、毎日180mg(30代の成人・安静時)
体から出ていっています。
毎日何もしなくても排出されてしまうので、食べ物としてカルシウムを体内に吸収し、
不足分を補給しなければなりません。
カルシウムの1日摂取目標量は、650mg(15~69歳女性)
その他、年齢によって、目標摂取量が違います。
0~5歳 約200~600mg
6~11歳 約600~900mg
12~14歳 約1000mg
15~17歳 約1100mg
妊娠・授乳期 約900~1100mg
更年期 約800~1000mg
老年期 約1200mg
<カルシウムを1日650mg摂るには
摂取例~以下の食品を1日で食べる>
木綿豆腐 75g(約1/4) 90mg
納豆 1パック(50g) 45mg
小松菜 80g 136mg
干しエビ 5g 355mg
油揚げ 10g(約1/2) 30mg カルシウム 合計 656mg
※当店では牛乳の摂取を推奨していないので、乳製品以外で記載しました※
カルシウムの吸収率はわずか30%
カルシウムは吸収されにくい栄養素です。
カルシウムの吸収率は、肉・魚類で30%、野菜類は20%と言われています。
一日の摂取基準量650mgを摂る為に必要な量は、
メザシ28尾 (23mg×28尾=644mg)
尿としてカルシウムが出ていく量を国際的に比較した調査では、
日本人のほうがアメリカ人よりも多いという結果がでました。
カルシウムをよく吸収させるコツ
①毎日適度な運動をする
適度な運動をすることで骨に適度な負荷がかかるので、
骨を作る細胞が活性化してカルシウムが骨に沈着しやすくなります。
②日光にあたる(ビタミンDを生成)
日光にあたることで、カルシウムの吸収を良くするビタミンDが体内で生成されます。
③お酒・たばこを控える
たばこはカルシウムの吸収を妨げます。
お酒は利尿作用があるので、カルシウムの排出を促します。
④インスタント食品、スナック菓子を控える
お惣菜やインスタント食品に入っている添加物「リン酸塩」は、
カルシウムの吸収を妨げます。
加工肉にも多く入っているので、成分表示を注意して見ることをおすすめします。
⑤ビタミンDやマグネシウムが多い食品を摂る
ビタミンDやマグネシウムは、カルシウムの吸収を助けます。
ビタミンDが多い食材
イワシ丸干し 1尾 15μg
サンマ 1尾 14.9μg
シラス干し 大さじ2 6.1μg
ブリ 1切れ 6.4μg
鮭 1切れ 25.6μg
きくらげ 2枚 1.7μg
干ししいたけ 2個 0.8μg
ビタミンDの摂取目安量は 成人1日 5.5μg (許容上限量は 成人1日 100μg)です
マグネシウムが多い食材
あおさ 5g 160mg
わかめ 5g 55mg
いりごま 5g 18mg
アーモンド 10g 31mg
きなこ 5g 13mg
など、海藻類や大豆製品、ナッツ類に多く含まれています。
食品からの1日摂取基準は、成人女性(18~49歳)で270~290mgです。
食品からの摂取上限量はありませんが、サプリメントからの摂取上限値は300mgと設定されています。
サプリメントは、食品から摂取するよりも吸収率が高いため、上限値が決められています。
まとめ
妊娠を希望している、妊活中の方にとっても、カルシウムはとても重要な栄養素です。
食品から摂取できない量は、サプリメントを上手に利用して摂取するといいでしょう。
ただし、カルシウムのサプリメントは、とても多くの会社から販売されています。
購入する際は、安すぎないもの、研究や検査がしっかりされているメーカーを選び、
店頭でその商品について質問、相談できるような安心したものを選ぶことをおすすめします。
ご質問ございましたら、お気軽に当店にお問い合わせくださいませ。
春日部第一薬局 TEL 048-761-2030